総合病院で働いている看護師のnanacoです。
経験年数は10年以上となり、これまで病棟の異動を2回経験しました。
異動となると、今までとは全く異なる科の疾患をみる必要があったり、病棟独自の決まりなどがあり、分からないことばかりで正直不安ですよね。
筆者も異動前は新しい場所で働けるのか不安でたまりませんでした。
そこで今回は異動が決まり不安で仕方ないときの対処法、実際に異動してみて感じたメリット・デメリットについて解説をしていきたいと思います。
- 異動の不安の対処法
- 異動して感じたメリット・デメリット
異動の不安の対処法
異動が決まったときや異動してすぐはまだまだ分からないことも多くて不安で仕方ないですよね。
そんな不安に対する対処法について解説していきます。
- おこっていない未来を心配しない
- 60点を目指す
- 同じ境遇の人と話す
- 2カ月経てば慣れると念じる
- 異動先の疾患や検査について勉強する
おこっていない未来を心配しない
異動先は分からない疾患ばかりで、忙しそうで、性格のきつそうな看護師ばかりいるとうわさがあるし...。
これから異動するとなると、異動先のことをあれこれと考えたり、どこからかうわさなんかも聞きつけ、まだ起こってもいない未来を心配していませんか?
もちろん、これから起こり得る最悪自体を想定して危機回避することは大切です。
しかし、大きすぎる不安はよくありません。
しっかりと異動先で働けるのか、新しい部署でも人間関係でうまくやっていけるのかは、実際に移動してみてからでないと分かりません。
また、不安や心配事の大半は実際には発生せずに終わることがほとんどです。
ですので、不安を感じたときは
おこってもないことで勝手に不安になっているな。
と自分の考えを認識して、それ以上、むやみに不安がるのは辞めましょう。
筆者も怖い人がいると聞いて異動したら、とても優しい先輩で無駄な不安だったと感じました。
60点を目指す
今までの部署で長年勤めてきた方や、完璧主義の方は特に最初から、何でも完璧にこなそうとする傾向があります。
しかし、異動先は新しいことや今までと異なることも多く、最初から完璧になんてできません。
そこで、大切な考え方は最初から満点を目指すのではなく、60点でいいと思うことです。
そうすると、できなかったことはある程度、仕方ない。
むしろ、ちょっと頑張れたことに目を向け自分の頑張りを認めてあげることができます。
確かに完璧を目指していると自分のことを責めてばかりでつらくなってしまいますよね。
自分のことをちょっとでも認めてあげると頑張れそうです。
同じ境遇の人と話す
異動の不安が大きすぎるときは、とにかく人と話したり相談するといいでしょう。
特におすすめなのが、これまで異動経験があるひとと話したり、同時期に異動になる仲間と話すことです。
いろんな人の対処法について聞けますし、自分の不安を打ち明け、共感してもらえることで少し落ち着くことができます。
筆者も同時期に異動になる同僚と異動前にやりとりをして、お互いのつらさについて傾聴しあって乗りこえました。
2カ月たてば慣れると念じる
異動してすぐは、分からないことも多く、自分の未熟さを実感したり、何でもかんでも、忙しそうな人たちに聞くのも気が引けますよね。
物品の場所とか、根本的なことを忙しい人に聞くのは申し訳なくなってしまいます。
しかし、最初は誰でも初心者です。
最初に聞いておかなければ、早く慣れることもできませんし、どんどん日にちが経過すると余計に聞きにくくなってしまいます。
2カ月後には慣れているのだから、今は仕方ないと自分を励ましましょう。
実際、2カ月もすると余裕も少しずつ出てきて、できることも増えていきます。
最初の2カ月はつらいですが、そこを乗り切ればなんとかなると念じて過ごしましょう。
異動先の疾患や検査について勉強する
不安に思っているばかりでは何も変わりません。
今、あなたにできることはとにかく勉強をすることです。
実際に異動しないと分からないこともありますが、疾患については前もって学習することは可能です。
不安に思っている時間があるのなら、とにかく参考書を隅々勉強しましょう。
筆者は余計なことを考えないように、知らない略語を単語帳にして、スキマ時間にも勉強をしていました。
異動のメリット・デメリット
次に筆者が実際に異動してみて感じた、異動メリット・デメリットについてそれぞれ挙げていきます。
異動してよかった点
まずは筆者が実際に異動を経験してみてよかったと感じた点について解説していきます。
- 何でもかんでも頼られなくなった
- 学習するきっかけができた
- 新しい人間関係を築ける、刺激がもらえる
- 今までの環境が当たり前でなかったことに気付けた
- 前の病棟の知識を頼られることもある
何でもかんでも頼られなくなった
筆者は異動前の病棟で経験年数が長くなり、病棟の中でも長く勤務している方でした。
ですので、病棟のことで分からないことなどあれば、後輩や師長からも質問を受けていました。
異動前は当たり前だと思っており、なんとも感じていませんでしたが、異動してから質問されることがなくなり、肩の荷が降りた気分になりました。
また、長年同じ病棟で勤務していると、委員会や病棟の取り組みなど、仕事を任されることも多かったので、その点でも心機一転できてよかったと感じました。
異動してすぐはあまり大きな委員会なども割り当てられないのでいいですね。
学習するきっかけができた
長年、同じ病棟に勤務していると学習する機会があまりありませんでした。
しかし、異動となると、看護する疾患や検査が変化するため、学習をすることが必須でした。
看護師として知識は幅広く持っていたほうがよいため、自身のキャリアや看護師としてのスキルを考えると成長につながったと感じました。
いろいろな科を経験したほうが看護師としてはいいですよね。
新しい人間関係を築ける、刺激がもらえる
同じ病棟に所属していると狭い人間関係の中で仕事をしていましたが、新しい病棟へ異動となり、病院内での知り合いが増えました。
異動でとても仲良くなった同僚とも出会えましたし、他の病棟に聞きたいことがあるときに知り合いがいると安心感があります。
また、同世代が他の病棟で頑張っている姿やいろいろと取り組んでいる姿をみて、自分もしっかりしなければと、とても刺激を受けました。
前の病棟では考えられないことを同世代がこなしているのを見て、自分も頑張ろうと思えました。
今までの環境が当たり前でなかったことに気付けた
はじめての異動前は新人から配属されていた病棟であったため、その取り決めが当たり前として仕事をしていました。
しかし、異動先ではやり方が異なっていることも多く、変な考え方や価値観にとらわれていたことに気付けました。
変な決まりごとはない方が楽に働くことができますよね。
逆に、異動前の病棟の良さにも気付くことができ、異動先で業務をスムーズに安全に行うための取り組みを提案することができました。
前の病棟の知識を頼られることもある
異動先ではみている疾患や検査が異なり、異動前の病棟では当たり前に行っていたことが、異動先のスタッフにはあまり馴染みのないこともありました。
その際は、筆者の意見を取り入れてくれたり、技術を使うこともあり、以前の知識やスキルをいかせた時はよかったと感じました。
自分自身のスキルがいかせるといいですよね。
異動して悪かった点
- 人間関係になじむまで時間がかかる
- 前の病棟のやり方と混同してしまう
- 分からないことも多いが経験年数だけでリーダーを任される
次は異動して悪かった点について解説していきます。
人間関係になじむまで時間がかかる
仕事自体は2カ月程度で慣れてきましたが、勤務はなかなか同じ人となることが少なく、なじむまでは半年くらいかかりました。
やはり、初めて関わる人とのコニュニケーションは緊張したり、気を遣うため、異動のデメリットだと感じました。
人見知りの私にとっては過酷です・・。
前の病棟のやり方と混同してしまう
以前の病棟で慣れてきたやり方があるため、異動先で当たり前のように行ったことが違ったり、少し混同してしまうこともあり、よくない点だと感じました。
特に、物品の保管の場所や患者さんの病室の男女の部屋割りなど、異動して1年くらいは混乱してしまうこともありました。
慣れ親しんだやり方を急に変えるのは大変ですよね。
分からないことも多いが経験年数だけでリーダーを任される
これはリーダーを経験している世代の話ですが、筆者のように経験年数が10年以上となると、異動して2カ月程度のまだまだわからないことがたくさんある時期にリーダーを任されることもあります。
何かあったときの対処法など、科によって異なっていることもありますし、知識も後輩の方があることもあり、不安が大きい中でリーダーをすることはとても苦痛でした。
急変時や何かあったときの対応方法について、周りから聞きまくりました。
まとめ
以上、異動に対する不安の対処法、異動のメリット・デメリットについてでした。
- 異動前は不安になるのは仕方ないが学習などできることを進めておく
- 異動後、すぐにはできないことが多くて当たり前なので完璧を目指し過ぎない
- 異動して慣れるまでは大変だが2カ月たてばできることが増えてくる
- 異動することで新しい人間関係や新しい知識に出会うことができる
異動してみると視野も広がり、知識も広がるためメリットもあります。
現在、異動で不安で仕方ない方、異動したてでつらい方は、とりあえず2カ月は頑張って乗りこえてみましょう。
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