看護師として働いていると辞めたいと思うことはありますよね。
筆者は総合病院で10年以上、看護師として勤務していますが、周りの看護師ともよく
はあ、看護師辞めたいな〜
看護師いつ辞めますか?まじで早く辞めないと病んじゃいますよ。
などと話しています。
せっかく大変な看護学生時代を過ごして国家試験を受け、やっと看護師になったのに、どうしてそのような声が多いのでしょうか?
看護師が辞めたいと思う理由
看護師を辞めたくなる理由について解説していきます。
- 仕事内容がとてもハード
- 人間関係が不良
- 責任が重大
仕事内容がとてもハード
看護師の仕事は多岐に渡り、しかもとてもハードです。
- 長時間の夜勤・残業
- 足の疲労感、腰痛
- 委員会の仕事・勉強会
- 急変・死亡時の対応
- 患者や家族のクレーム対応
- 自分の食事やトイレ休憩がとれない
- ミスをするとレポート提出しなければならない
長時間の夜勤・残業
看護師の勤務形態はシフト制になっていることが多く、長時間の夜勤があったり、忙しいときは残業があったりします。
患者さんの体調は急に変化することも多く、急な残業になったり、受け持ち患者さんに何かあれば対応してからでないと帰れないので、終わりが見えない処理や記録に心身ともに疲弊してしまいます。
なぜか自分の受け持ちばかりがそろって急な検査が入ったり、ややこしい指示が入ることもあります。
足の疲労感、腰痛
看護師は基本立ちっぱなしの仕事で、仕事終わりには足がパンパンになっておりとても疲労感を感じます。
また、ベッドに横たわる患者さんに対し腰をかがめて処置をしたり、体の大きな患者さんの体位変換や移乗を行ったり、腰にも大きな負担をかけます。
夜勤は夜中に起きているだけで体に負担をかけているのに、巡視の度におむつを替えたり、何人も車椅子に乗せてご飯の介助をするのはとても疲れます。
委員会の仕事・勉強会
看護師の仕事は通常の業務だけではありません。
各々委員会を任され、病棟ごとに目標を決め取り組みをしたり、その取り組みの成果などを発表する機会もあります。
また、勉強会や会議なども多く、給料も出ないのに休日に出勤したり、オンデマンドの長時間の研修を受ける必要があります。
そして、年代別にケースレポートやRCAレポート、看護研究などを提出しなければならず、とても負担となっています。
せっかくの休みも提出物や研修のために出勤しなければならず、休んだ気がしません。
急変・死亡時の対応
看護師は患者さんの命に関わる観察や処置をしなければならなかったり、急変が起これば一刻を争う適切な対応が求められます。
死亡時の対応は精神的にもきついため、看護師を辞めたいという看護師は多いです。
やはり患者さんが亡くなるところに遭遇するのはつらいです。
患者や家族のクレーム対応
クレーマーは患者や家族にも存在し、暴力や暴言をはく患者も多く存在します。
また、家族もヒステリックになっていたり、無理な要望を言ってきたりする人もいます。
そういう患者さんが入院していると早く退院してくれることを願うしかありません。
自分の食事やトイレ休憩がとれない
忙しすぎるときは、勤務中ずっと神経をとがらせ、必死で働き、自分の食事や水分補給、トイレなどを後回しにしてでも、何とかその場を乗り切ることで精一杯になっています。
長時間の勤務で疲労こんぱいな上に生理的欲求も満たされないつらい状況です。
膀胱炎になっている看護師を何人も見てきました。
ミスをするとレポート提出しなければならない
ミスがあれば報告のレポートをまとめ、師長に報告をしてミスの原因究明をします。
また、患者さんのものがなくなれば一大事となり必死に医療廃棄物やゴミ箱を探したり、残業をして行う必要があり、本当に辞めたくなってしまいます。
ミスをするととっても落ち込みますよね。
人間関係が不良
看護師は先輩が新人に教育を行う体勢をとっており、看護師歴で上下関係をはっきりさせることが多いです。
新人看護師からすると先輩に言われたことは絶対で
それ前も言ったよね?どうしてそんなこともできないの?
というようなパワハラ発言をする先輩も中にはいます。
もちろん、看護師の中にも、お局はおり、自分は動かず口ばかり出して仕事をふってきたり、マイルールで自分のいいように決まりを作ったりします。
また、忙しさから普段は優しい人も、みんな余裕がなくイライラしており、口調が強くなったり、要領の悪い人には強く当たったりしてしまうこともあります。
そんな人たちの中で仕事をしていると、一緒の勤務になるだけで嫌な気持ちになったり、また何か言われるのかもしれないと鬱になったり、看護師を辞めたくなります。
責任が重大
看護師の仕事は患者さんの命や治療に大きく関わることばかりであり責任がとても大きいです。
- 患者さんの異常を見落としてはいけない
- 医師への報告の内容やタイミングが難しい
- 専門の科以外の患者さんを看なければいけない
- 複雑な医療機器を扱わなければいけない
患者さんの異常を見落としてはいけない
看護師の仕事は、患者さんの異常や変化があればすぐに医師へ報告する必要があります。
そこで、患者さんの異常に気付かなかったり、観察が甘かったりすると患者さんが重症化してしまったり、適切な治療が受けられないこともあります。
もちろん、患者さんや家族に訴えられる可能性も十分にあります。
医師への報告の内容やタイミングが難しい
医師への報告のタイミングや内容が悪いと怒られたり、逆に報告をすべきときにしなかったりすると、患者さんの命や利益に影響を大きく及ぼすことがあります。
そのようなことが発生すると医師や先輩から責められたり、問題を大きく捉えられ、レポートにまとめ後日、病棟で話し合いを開催したり、どうしてそうなったのか原因追求を行ったりします。
感じの悪い医師だと報告したのに「で?」と言われることもあり、10年以上看護師をしていても報告のタイミングは本当に悩みます。
専門の科以外の患者さんを看なければいけない
患者さんは1つの病気を抱えている訳ではないことも多く、あまり看たことのない科の検査や処置の介助をしなければ行けないこともあります。
また、使用頻度の低い薬の扱い方や混注方法など分からないことも多く、インシデントが発生しやすいです。
なじみのない科の医師に質問をしたりコニュニケーションを取るのも大変です。
複雑な医療機器を扱わなければいけない
医療機器にはとても複雑なものも多く、その扱いに慣れておらず苦労したり、ミスにつながったりします。
同じ医療機器でも種類が何個もあり、はじめて見る機会を操作するときは神経を遣いますし、とても緊張します。
筆者の実体験
ここで、筆者が実際に体験した壮絶、忙しすぎる夜勤を紹介します。
筆者の病院では夜勤は看護師3人で患者さんを多く見なければいけません。
そのときに病棟の患者さんは重症度が高く、ナースコールで何度も呼んでくる認知症の患者さんが多数で、抑制類を使用している患者、寝たきりの患者も多く、また、延命治療を行わないDNARの患者さんだけど、吸引を1時間に行わないと窒息の危険があるような、頻回に観察する必要のある患者もいました。
その状況でとてつもなく忙しかったのですが、夜間に2人の緊急の入院がありました。
入院の患者さんにはたくさんの書類を書いてもらったり、いろいろなことを聞かなければいけないことがあり、とても処理に時間がかかります。
緊急入院の患者さんは新たに内服や点滴、緊急の検査の指示が入ったり、たくさんやることがあります。
それを休憩も一切なしでこなし、何とか外が明るくなったと思ったら、ドーンという音が。
嫌な予感を胸にダッシュで物音がした病室へ向かうと、患者さんが一人で立ち上がり、頭から血を流し倒れていました。
すぐにバイタルチェックをしたり、緊急で医師に診察を依頼したり、追加の検査の搬送に行ったり、さらに忙しくなりました。
そんなバタバタしているなか、病棟に設置してあるセントラルモニターのアラームに対応できていませんでした。
数分後、モニターを確認すると、心拍数が低下してアラームがなっている患者さんがいました。
急いで患者さんの元へ行き、声をかけると意識はなく、呼吸もしておらず、頸動脈も触知できません。
すぐに救急カートを持ってきもらい、人手を集めCPRを開始しました。
朝に行わなわなければならない、採血もできておらず、カルテ記入なども全く手つかずのまま、夜勤の勤務時間が終了しました。
すでに休憩なしで15時間以上働いていましたが、まだまだ仕事は終わりではありません。
夜間に行うはずであった医師からの指示をこなし、カルテへ記載をし、転んでしまった患者さんのインシデントレポートを書き、膨大な急変時の記録や使用した薬剤の処理を行いました。
疲労こんぱいで全く頭も働かないなか、気付けばもう働きだしてから、20時間が経過、、。
身体的にも精神的にもボロボロで、患者さんより先に倒れてしまうのではないかと思いつつ、意識をなんとか保って家に帰り泥のように眠りました。
それで終わりではありません。
後日、急変時に使用した薬剤や物品の個数が合わず、その対応をしたり、急変の発見が遅れたことやCPRのときの記録をさかのぼり、自分たちの判断が良かったのか振り返りを何度も行いました。
まとめ
以上、看護師が仕事を辞めたくなる理由と筆者の体験した壮絶な体験談でした。
- 看護師は身体的・精神的疲労が大きく辞めたくなる
- 人間関係に悩むことがあり辞めたくなる
- 看護師は責任も重大でミスが許されないため辞めたくなる
筆者のような壮絶な経験をした看護師も多いのではないでしょうか?
せっかく看護師の資格を取ったのですから、うまくストレスをためないように看護師を続けていけるといいですね。
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