看護師の夜勤って何がそんなに大変なの?
患者さんも寝ているのだから、やることはないでしょ?なんで疑問に思っていませんか?
また、看護学生さんたちは、看護師になったときに夜勤ってどのように働くのか分からず不安ですよね。
看護師歴10年以上の筆者の経験から、看護師の夜勤の実際の動き方を解説してきたいと思います。
夜勤の勤務体勢
看護師の勤務体制によって2交代制、3交代制があります。
2交代制は日勤と夜勤に分かれており、夜勤が16時間と長時間になることが特徴です。
また、変則2交代制というものもあり、夜勤の時間が短くなるように日勤とは別の勤務形態の勤務を追加したものです。
ちなみに筆者はこの変則2交代制で働いています。
3交代制は日勤、深夜勤、準夜勤に分かれており、各8時間ごとの勤務になっています。
夜勤中の仕事内容
2交代制での夜勤業務の流れを説明していきます。
16時 | 出勤 カルテから患者の情報収集 内服・点滴の準備 | 出勤時間内に患者の情報収集時間が含まれていないことが多く、始業前残業は当たり前です。 |
17時 | 日勤からの引き継ぎ 患者の観察 点滴実施 オムツ交換 ナースコール対応 血糖値の測定 | 日勤者が帰宅する前に不明点があれば確認しなければ、これ以降は夜勤者の少数で対応しなければいけません。 |
18時 | 夕食の介助 配薬 口腔ケア 検査、手術の患者の対応 ナースコール対応 | 夕食時は自分で起きることのできない患者を起こしたり、食事を食べさせたり、薬を配ったりと一番バタバタします。 |
19時 20時 | 患者の観察 点滴実施 オムツ交換 ナースコール対応 | 日中に検査・手術の終わった医師から、急な追加の指示が入りやすいのがこの時間です。 |
21時 | 消灯巡視 眠前の内服準備 オムツ交換 常備している薬や物品のチェック 点滴準備 ナースコール対応 | 夜間になると不穏になる高齢の患者は多いです。 |
22時 | 点滴実施 尿やドレーンの排液 看護師のご飯休憩 ナースコール対応 | 休憩中でも自分の受け持ち患者に何かあったり、緊急入院があれば対応しなければいけません。 |
23時 | ナースコール対応 不穏の患者の対応 点滴準備 カルテの記載 | |
0時 | 巡視 オムツ交換 点滴実施 ナースコール対応 | 2時間ごとに寝たきりの患者のオムツを交換し、体勢を整えます。シーツまで汚れてしまった場合は交換に時間がかかり、巡視で1時間経過してしまうこともあります。 |
1時 | カルテ記載 指示の確認 ナースコール対応 | |
2時 | 巡視 オムツ交換 ナースコール対応 | |
3時 | 仮眠 | 急変や緊急入院などがあると休憩が取れないこともあります。 |
4時 | 巡視 オムツ交換 | 時間があけば、オンデマンドの学習をしたり、担当の委員会の仕事をこなします。 |
5時 | 点滴の準備 内服の準備 採血の準備 翌日の入院患者の準備 | |
6時 7時 | 患者の観察 採血 血糖血の測定 点滴の実施 オムツ交換 尿やドレーンの排液 | 食事が来る前に終わらせなければならず、時間との戦いです。 |
8時 | 朝食の介助 配薬 口腔ケア ナースコール対応 夜間の状態を医師に報告 | 食事のときは、またバタバタします。 夜間の疲れと睡魔で限界を迎えそうです。 |
9時 | 日勤への引き継ぎ カルテ記載 追加指示への対応 帰宅 | 日勤者からの指摘で、追加で医師に確認をとったり、インシデントが発覚したりします。そういうときは、残業確定となります。 |
夜勤中はとにかくやることがたくさん。
また、看護師の人数も日中と比較すると少ないため一人ひとりの負担がとても大きくなります。
夜勤のメリット・デメリット
でもそんな大変な夜勤をどうしてやっているのか、疑問に思いますよね。
メリットとデメリットについてまとめました。
メリット
- 夜勤手当がもらえる
- 日中に時間が取れる
- 日勤より落ち着いている時間がある
夜勤手当がもらえる
施設によって金額は異なりますが、1回ごとの夜勤で手当がもらえます。
筆者は1回の夜勤で13000円の手当をもらっています。
看護師は高給取りのイメージがあるかもしれませんが、夜勤をやらないと給料はよくありません。
ですので、夜勤がつらくても、夜勤を続ける看護師が多いのでしょう。
日中に時間が取れる
夜勤前後はもちろん仮眠を取らないと体力が持ちません。
しかし、日中に時間が空きますので、お子さんと遊んだり、家事をこなしたり有効に時間を使うことができます。
日勤より落ち着いている時間がある
夜勤中に急変や緊急対応がなければ、比較的落ち着いているときもあります。
日中は日中で検査や手術、定期入院などでバタバタするため、夜勤の勤務を好む方もいます。
デメリット
- 責任が重い
- 生活リズムが崩れる
- 体がしんどい
責任が重い
夜勤は看護師に人数が少数になります。
急変時は少人数で乗り切らなければいけませんし、一人ひとりの受け持つ患者も多いため責任重大です。
また、頼れる人も少なく自分で判断しなければならなかったり、師長も不在となるため、スタッフの体調不良や家族対応なども行わなければいけません。
生活リズムが崩れる
夜勤で疲れて昼間に長時間寝てしまい、夜中に眠れない。
などとリズムが崩れがちになってしまいます。
体がしんどい
長時間、起きているだけでも体力が削られます。
それに加え、夜勤中はナースコールを少人数で対応する必要があり、2時間ごとのオムツ交換があります。
夜勤が終わると、足はパンパン、腰も背中も限界・・・。
夜勤は本当に体力を消耗します。
まとめ
以上、看護師の夜勤のメリット・デメリットについて解説しました。
- 看護師の夜勤はとてもやることが多く、責任重大
- 夜勤をすると手当がもらえたり、自分の成長する経験を積めたりします
- 身体的に負担がかかるためケアが大切
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